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北朝鮮の崩壊を恐れるな
―― リスクを上回る半島統一の恩恵に目を向けよ

スー・ミ・テリー 元米中央情報局(CIA)上席分析官

A Korea Whole and Free

Sue Mi Terry コロンビア大学東アジア研究所・シニアリサーチフェロー。米中央情報局(CIA)上席分析官、国家安全保障会議(NSC)ディレクター、米外交問題評議会ナショナル・インテリジェンス・フェローを経て現職。専門は朝鮮半島、日本など。

2014年7月号掲載論文

朝鮮半島の統一が韓国を経済的・社会的に押しつぶすわけでも、アメリカ、中国、日本に受け入れがたいリスクを作り出すわけでもない。たしかに、朝鮮半島の統一はドイツ統一以上にコストがかかり、多くの課題を伴うだろう。例えば、北の崩壊シナリオとしてもっとも現実味があるのは北朝鮮が内破し、体制が崩れていくことで、この場合、核兵器の安全な管理をいかに確保し、人道的悲劇を回避して大規模な難民が発生しないようにすることが大きな課題となる。だからといって、半島の統一を回避すべきだと考えるのは間違っている。崩壊を経た半島統一の最大の恩恵は、北東アジアにおける主要な不安定化要因が消失することだが、特に韓国は大きな経済的恩恵を手にできる。これまで各国は、平壌が挑発的行動を前にしても、北朝鮮を不安定化させることを懸念して、経済制裁の強化や、対抗策をとることを躊躇ってきたが、今後はそのような配慮をすべきではない。統一の恩恵はリスクやコストを遙かに上回るのだから。

  • 統一のリスクと恩恵
  • 三つのシナリオ
  • 統一のコストと恩恵
  • 近隣諸国の立場
  • 多国間で統一に備えよ

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