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北東アジアにおける歴史戦争
―― アメリカの関与がなぜ必要か

ギウク・シン
スタンフォード大学教授(社会学)
ダニエル・C・シュナイダー
スタンフォード大学アジア太平洋研究センター
アソシエート・ディレクター

History Wars in Northeast Asia

Gi-Wook Shin スタンフォード大学教授(社会学)で、アジア・太平洋研究センターのディレクター。同大学付属国際問題研究センターシニアフェロー。著書にHistory Textbook and the Wars in Asia: Divided Memories(2011)がある。
Daniel C. Sneider スタンフォード大学アジア・太平洋研究センター 副ディレクター。現在 東アジアの歴史的記憶がいかに形作られたかを研究テーマとする同センターのプロジェクト・ディレクター。専門は東アジア、ナショナリズムなど 。

2014年5月号掲載論文

第二次世界大戦に由来する未解決の歴史問題が、北東アジアの地域的緊張の背景に存在する。歴史問題が日本と韓国というアメリカの主要な同盟国を反目させ、日本と中国のライバル関係を再燃させている。だが、この現状をめぐって、東アジアの戦後秩序を形作ったアメリカにも責任があることを認識する必要がある。アメリカは、冷戦という特有の環境のなかで戦後処理を行い、以来、状況を放置してきた。日本は「ドイツがいまも謝罪の必要性を認識し、自己検証の試みを続けていること」から教訓を学ぶ必要があるし、アメリカも戦争と過去に正面から向き合い、米大統領はヒロシマあるいはナガサキを訪問し、日本に原子爆弾を投下した結果、非常に多くの人命が奪われたことに対する自らの考えを示すべきだ。そうしない限り、北東アジアの歴史問題にアメリカが介入することは正当化できない。・・・・

  • 歴史論争
  • アメリカの責任
  • 戦時補償問題への新たな対応を
  • 謝罪と歴史教育
  • ナショナリズムと外交

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