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ウクライナ危機とロシアの立場

ジェフリー・サックス
コロンビア大学教授(経済学)

Why the West Should Tred Carefully in Ukraine

Jeffrey D. Sachs  コロンビア大学経済学教授。開発経済学の第一人者として知られ、この25年にわたって南米、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中東の国家指導者や政府の経済戦略アドバイザーを務めてきた。文中にあるように、90年代初頭にはロシア政府の経済顧問も務めた。

2014年4月号掲載論文

欧米はウクライナの領土保全回復を目的に掲げるだけでなく、ロシアの利益と懸念にも応分の正当性があることを認める必要がある。ウクライナの安定は、ロシアの協力なしでは達成できないし、そうした協力が実現するとすれば、欧米がロシアに対して和解的な危機管理策をとった場合だけだ。ウクライナはヨーロッパとロシアの双方と分かちがたく結びついている。巨大なコスト負担を覚悟しない限り、どちらか一つとの関係を遮断できない場所に位置している。欧米は、ウクライナをロシアの軌道から引き離そうとするのではなく、むしろ、ロシアとウクライナが、先を見据えて、互恵的関係を模索するように働きかけ、EU、ロシア双方との経済的つながりを拡大することを目的に据えるべきだ。

  • ロシアの懸念にも配慮すべきだ
  • 不信の悪循環
  • 東と西の経済協調を

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