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クリミアとロシアのアイデンティティ
―― ロシアはクリミアを手放さない

スーザン・リチャーズ
「オープンデモクラシーロシア」エディター

Crimea in Context

Susan Richards オンラインサイト「オープンデモクラシーロシア」のエディター。著書にRussia and Epics of Everyday Lifeがある。

2014年4月号掲載論文

モスクワやサンクトペテルブルグとともに、クリミアはロシアの文化的遺産の重要なバックボーンを提供している。実際、冷戦終結以降、モスクワはクリミアのことを「まだ決着していないアジェンダ」とみなしてきた。やっと取り戻したクリミアをプーチンが手放す可能性はほとんどない。宗教、戦争、芸術を基盤とするロシアの国家アイデンティティにとって、クリミアはきわめて重要な場所だからだ。クリミアにはロシア正教の歴史的遺産が存在し、セバストポリは今も語り継がれる歴史的戦闘が何度も繰り広げられた場所だ。さらにロシアの文化的遺産である数多くの文学作品、芸術作品の多くがクリミアを舞台としている。ロシアはクリミアを手放さない。一方、ウクライナはクリミアの喪失には耐えられるかもしれないが、さらなる分裂を受け止める余力はない。

  • セバストポリとロシア
  • クリミアとロシアの自画像
  • ウクライナの運命

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