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ヨーロッパかロシアか、それが問題だ
―― ウクライナのナショナリズム

オーランド・フィゲス
ロンドン大学バークベックカレッジ教授(歴史学)

Is There One Ukraine?The Problem with Ukrainian Nationalism

Orlando Figesロンドン大学バークベックカレッジ教授(歴史学)。最近の著著にJust Send Me Word: A True Story of Love and Survival in the Gulag がある。2014年4月に新著 Revolutionary Russia, 1891―1991を出版予定。

2014年4月号掲載論文

ウクライナが現在直面している苦悩の中枢には、ロシアとの「戦略的パートナーシップ」に対する抵抗感と、「腐敗した政府からウクライナを政治的・経済的に救えるのはヨーロッパだ」という認識の間の葛藤がある。短期的には、ウクライナはロシアと仲違いするわけにはいかない。ロシアはウクライナのエネルギー供給を支配している上に、債務の大半を所有している。両国は産業面でも深く結びついている。だが長期的には、ウクライナにとって最大の期待はヨーロッパだ。街頭で抗議を行っている人々が求めた改革を実現するにはヨーロッパに目を向けるしかない。ただし、ウクライナのナショナリストたちは、ヨーロッパへの期待も幻想に過ぎないかもしれないことを忘れてはならない。「ヨーロッパかロシアか」という選択をめぐってウクライナ人が深く分裂していること、そしてウクライナを手放したくないロシアの思いが、ウクライナを受け入れたいというEUの思いよりずっと強いことを考えると、ウクライナは東欧諸国の先例にならって国の運命を国民投票で決めるべきなのかもしれない。

  • 東か西か
  • 歴史的遺産
  • 第一次世界大戦から冷戦終結まで
  • ロシアかヨーロッパか
  • 国民投票の実施を

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