多極化したGXの世界 ―― 国連後のグローバル統治
The Unruled World ―― The Case for Good Enough Global Governance
2014年3月掲載論文
グローバルな問題に対処するための多国間協調は、いまや国連などの公的な国際機関の外側で試みられるようになった。国連のような多国間組織では、複雑を極めるトランスナショナルな問題に、効果的に対応することはおろか、対処することさえできなくなっているからだ。多国間組織で結論を出せないことに苛立ったアクターたちは、アドホックな枠組みや連帯で問題解決を試みるようになった。こうしてグローバル統治のための制度は、フォーマル、インフォーマルな組織や連帯が織りなす無様なパッチワークのような状態と化している。だが、組織やフォーラムが数多く存在するからといって、常に機能不全に陥るとは限らない。新たな課題に対処していく上で柔軟に対応できる場合もある。現在のグローバルな無秩序をどう考えるかはともかく、今後もこの状態が続くのが明らかで、現状における課題は、可能な限り、問題を解決できるように、現在の複雑な統治構造を機能させていくことだ。
- 無様なパッチワークと化した国際構造
- 希薄化する国連の正統性
- 多極構造へ
- GXの世界へようこそ
- G8の柔軟性と復元力
- G20の台頭と黄昏
- 細分化されたアジェンダとアプローチ
- 地域機構の台頭
- グローバルな公共財の統治
- 宇宙空間での活動をどう規制するか
- サイバースペース
- テクノロジーとグローバル統治のフロンティア
- 適度なグローバル統治をめざせ
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