軍隊なき、文化国家の物語
A Conversation With Ólafur Ragnar Grímsson
2014年3月号掲載論文
わずか32万の人々しか住んでいないアイスランドは、これまではどうみても忘れさられた辺境の地だったし、歴史の多くの時期を通じて、実際にそうみなされてきた。だがこの数十年にわたって、アイスランドにはかつてなく大きな関心が寄せられるようになった。2003年にアイスランドの銀行が民営化されて以降、この国の金融部門には巨額の外国資本が流れ込むようになり、2008年10月の数日間でバブルがはじけるまで、その額はGDP(国内総生産)の10倍規模に膨らんでいた。より永続的なポテンシャルを秘めているのは、この国の北極圏プレイヤーとしてのステータスかもしれない。地球温暖化によって北極圏には新たな航路が誕生しつつあるし、資源開発の見込みも高まっている。アイスランドで最初に政治学を教える教授になり、1988―91年までは蔵相を務め、1996年以降は大統領としての職責を果たしているオラフル・ラグナル・グリムソンは、この国の大きな運命の変化を研究し、指導者としてそれを乗り切ってきた。(聞き手はスチュアート・レイド、フォーリン・アフェアーズ誌シニアエディター)
- 助け合う文化
- 銀行危機はどのように起き、いまどのような状態にあるか
- ウィキリークスが生まれた国
- 軍隊なき国のソフトパワー
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