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「破綻国家脅威論」の興亡 ―― 不毛な戦略への決別

マイケル・J・マザー 米国防大学教授(国家安全保障戦略)

The Rise and Fall of the Failed-State Paradigm ―― Requiem for a Decade of Distraction

Michael J. Mazarr 米国防大学教授(国家安全保障戦略)。戦略国際問題研究(CSIS)シニア・プロジェクト・ディレクター、ヘンリー・スティムソン・センター会長、統合参謀本部議長特別補佐官などを経て現職。専門はアメリカの国際戦略と国際安全保障。

2014年3月掲載論文

冷戦の集結以降、アメリカの安全保障戦略担当者の多くは、最大の脅威は国家構造に脆弱性を抱える破綻国家や破綻途上国家が作り出すと考えるようになり、外交と国防政策の大転換を訴えた。こうして国家建設ミッションが重視されるようになり、アフガニスタンとイラクはその際だった例とみなせる。だが、1990年代以降、アメリカが経験してきたことと、現在北東アジアで起きていることを比較すれば、秩序を乱すのが弱体国家の出現ではなく、領土的な野心と歴史の記憶、そしてナショナリズムの高まりであることは明らかだろう。弱体国家への関与は「健全な戦略的ドクトリンではなく、マニアックなこだわり」にすぎなかった。

  • 国家建設時代の終わり
  • 破綻国家脅威論の誕生
  • 戦略をどう読み間違えたのか
  • 重要な任務からの逸脱
  • より現実な路線へ

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