クリミアは手始めにすぎない
――プーチンが欧米世界に突きつけた
果たし状
Russian Revisionizm
2014年4月号掲載論文
プーチンが軍事力に訴えたのは、他に選択肢がなかったからではなく、欧米のゲームルールを変えたいと考えたからだ。実際、キエフに圧力をかけることが目的なら、他にも多くのやり方が存在した。最近の行動からみれば、プーチンの戦略目的は、クリミアを他のウクライナ地域から切り離すことではない。ロシアとの統合を高めたウクライナ東部を内包する連合国家へとウクライナを変貌させることが狙いだ。クリミアでの行動を通じて、彼は法的な規範と冷戦後のヨーロッパ秩序構造を疑問に感じていることをはっきりと示した。プーチンは今回の行動を通じて欧米世界に果たし状を突きつけたことになる。彼は欧米の近代的価値を拒絶し、ロシアとヨーロッパ世界との間に明確な境界線を引こうとしている。プーチンにとって、クリミアはその手始めにすぎない。
- 欧米世界への決別
- プーチンの怒り
- プーチンの戦略目的は何か
- プーチンが描くロシアの自画像
- 欧米のルールには従わない
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