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中国の経済成長モデル見直しとエネルギー価格の自由化

ダミアン・マ
ポールソン研究所フェロー

Where China's Search for A New Energy Strategy

Damien Ma シカゴ大学ポールソン研究所フェロー。ユーラシアグループの中国アナリストを経て現職。フォーリン・アフェアーズ電子版に「習近平政権の内憂外患」(フォーリン・アフェアーズ・リポート2012年12月号掲載)、「北京は近く経済改革に着手する――改革の必要性が障害を克服する」(2013年6月号掲載。エバン・A・フェイゲンバームとの共同執筆)などを発表している。

2013年7月号掲載論文

相対的に貧困な国で経済が急拡大した場合、インフレを警戒する必要がある。外国からの原材料輸入とともにインフレも輸入してしまうリスクがあるからだ。中国政府はこのリスクを回避しようと重工業を中心とする基幹産業のために人為的にエネルギー価格を抑え込む価格統制策をとってきた。低めに抑えられたエネルギー価格は、低く抑えられた為替レート同様に輸出競争力を支え、(インフレの抑制と)輸出主導型の経済成長モデルに貢献した。だがその結果、エネルギーの利用効率の改善や環境問題への配慮は二の次とされ、深刻な環境汚染と社会不満が広がりをみせ、いまや経済モデルを見直さざるを得なくなっている。すでに北京の新体制は中国の経済モデル移行に向けた重要な一部として、エネルギーの価格改革に高い優先順位を与えているようだ。現実にそうなれば、中央統制経済のもっとも頑迷な遺産を中国が取り払おうとしていることへの明確なメッセージになる。

  • 低く抑えられたエネルギー価格
  • エネルギー価格統制策と利用効率の悪化
  • なぜ中国で停電が相次ぐのか
  • なぜエネルギー価格の自由化を躊躇しているか
  • 価格統制策を見直すと表明すれば・・・
  • 適正な経済モデルとエネルギー価格

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