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自由貿易協定、20年後の現実 ―― NAFTAとメキシコ

ホルヘ・G・カスタニェーダ 元メキシコ外相

NAFTA’s Mixed Record ―― The View from Mexico

Jorge G. Castaneda ニューヨーク大学教授(政治学、ラテンアメリカ・カリブ海研究)。メキシコ外相(2000年から2003年)を経て現職。フォーリン・アフェアーズ誌では、「本当に新興国を世界の中枢に迎え入れるべきなのか ――ブラジル、中国、インド、南アフリカの成功の限界」(フォーリン・アフェアーズ・リポート2010年10月号掲載)、「ラテンアメリカの左旋回 ――正しい左派と間違った左派を区別せよ」(2006年7月号掲載)を発表している。

2014年2月号掲載論文

NAFTA(北米自由貿易協定)が発効してから20年後の現在、おそらくあらゆる人が唯一同意できるのは、「あらゆる議論・主張が誇張されていたこと」だろう。貿易合意としては、NAFTAはメキシコにとって否定しようのないサクセスストーリーであり、輸出の劇的な増大をもたらすきっかけとなった。しかし、NAFTAの目的が経済成長を刺激し、雇用を創出し、生産性を改善し、所得水準を引き上げ、移民流出を減らすことだったとすればどうだろうか。判断は分かれるはずだ。一人当たりGDPもこの20年で2倍になった程度で、年平均成長率でみれば1・2%にすぎない。この時期にNAFTAに参加していないブラジル、チリ、コロンビア、ペルー、ウルグアイは、メキシコよりもはるかに高い一人当たりGDPの成長を実現している。しかし、だからといって、NAFTAは失敗だったと決めつけることもできない。むしろ、メキシコは、エネルギー、移民、インフラ、教育、安全保障など、1994年の交渉テーブルに置き去りにしてきたアジェンダに今後取り組んでいくべきだろう。NAFTAは失望を禁じ得ない結果しか残せていないが、メキシコは、さらなるNAFTA的な路線、つまり、地域的経済統合路線を必要としている。

  • 状況は改善したが・・・
  • 分かれるNAFTAへの評価
  • NAFTAは民主体制への移行を刺激したか
  • 凡庸な経済成長
  • NAFTAに加盟していなければ
  • さらなる統合を

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