中国は第2の経済改革・開放路線へ
―― 管理・統制国家からルールに基づく規制国家へ
After the Plenum
―― Why China Must Reshape the State
2014年2月号掲載論文
習近平体制は、市場経済の確立に向けた経済改革へとすでに踏み出している。エネルギー価格の統制、金利や為替の管理策は今後弱められ、その多くが市場メカニズムに委ねられるようになる。民間企業を交えた、新たな社会保障制度も整備され、財産権の保障も強化されるだろう。たしかに、国有企業が経済における支配的優位をもつ状況で、国が経済構造を変革できるのかと疑問に感じる人もいるだろう。だが、国内外からの激しい競争に直面すれば、国有企業も、もっと市場規律に則した行動をとるようになるだろう。もちろん、9兆ドル規模の経済を構造的に改革していくのは容易ではないし、しかも、金融、労働、産業市場の改革は相互に密接に関連している。改革を成功させるには、国の形を作り替える必要がある。最終的に改革は経済というよりも政治領域の問題になる
- 再び改革路線の強化へ
- 政府の役割と市場メカニズム
- 社会契約の見直し
- 経済改革という名の国家構造の見直し
<再び改革路線の強化へ>
2013年11月初頭、今後10年の主要政策方針を決定する重要な会議である中国共産党中央委員会第三回全体会議(三中全会)開催を控え、北京には張り詰めた空気が漂っていた。この時期、習近平(シー・ジンピン)国家主席は、大規模な経済改革への期待を意図的に高めようとした。彼は「包括的な」改革計画に言及し、1978年の三中全会で中国経済を大きく見直して新しい歴史を形作った鄧小平(ダン・シャオピン)の名前さえ引き合いに出した。・・・
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