中国の対外強硬路線と TPP交渉
Will China’s Air Defense Zone Chill Trade?
2014年2月号掲載論文
2014年11月の米中間選挙が近づくにつれて、米議会のメンバーは政治的反発が予想される貿易協定への批准をためらうようになる。それだけに、交渉で残された難題を解決するには、現時点でハイレベルな外交努力を行う必要がある。中国は、TPP(環太平洋パートナーシップ)交渉が山場を迎えつつあったタイミングでADIZ(防空識別圏)の設定を発表し、そうした必要性への各国の政治家の意識を一時的に遠のかせた。だが、中国が地域的影響力を強めていることへの対抗バランスを形成するという思惑からTPPを含む一連の貿易合意を模索している東南アジア諸国にとって、中国によるADIZの設定は、そうした貿易合意の必要性を再確認させたことになる。・・・今後、中国がリスクを冒して、南シナ海に新しいADIZを設定するかどうかも予断を許さない状況にある。・・・中国の指導者は、東シナ海におけるADIZ設定に対して(国際的に)大きな反発が起きたことに驚いているようだ。だが、北京は中国市民のナショナリズムが高揚していることも考慮する必要がある。・・・
- ADIZの経済的余波
- 南シナ海にADIZが設定されれば
<ADIZの経済的余波>
―― (2013年11月の)中国によるADIZ(防空識別圏)設定は関係各国の神経を逆なでしたが、その影響や余波に関する分析は外交および軍事的側面に関するものが多い。通商・貿易面では、どのような余波が生じると考えられるか。
領有権をめぐる日中の対立が続く尖閣諸島(中国名・釣魚島)を含む上空に中国がADIZを設定したからといって、東南アジアの経済関係を形作っている(関係諸国の)戦略思考が、根本的かつ長期的に変化することはないだろう。・・・
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