Review Essay
中国との出会いとその後
In Search of the Real China ―― Outsiders Still See What They Want to See
2014年1月号掲載論文
西洋人は中国を世界から切り離された存在としてロマンティックにとらえがちだ。新しい事実が出てきても、研究者たちは、自分の思い込みにしがみつこうとする。約4000万人が死亡したとされる大躍進、そして約100万人が死亡し、数百万人の人生を狂わせた文化大革命という現実を前にしても、立場を変えない人物もいる。なぜ多くの識者たちは、中国とその革命にかくも大きな期待を寄せたのか。なぜ今も同じように考えているのか。なぜ自分が間違っていたとわかっても、まったく信じられないといった怒りにも似た感情を示すのか。そして、いまやわれわれの目の前にあるのは「気まぐれな愛人」のように、外の世界がどう思おうと気にしないふりをする中国だ。「本当の中国」を探す旅はまだ終わりそうにない。
- 本当の中国
- 刷り込まれたイメージと現実
- 資本主義と共産主義、都市と農村の間
- 中国との出会い
- 手探りの交流
<本当の中国>
中国の歴史は長年虚構のベールに覆われてきたが、この10年で歴史家やジャーナリストがそのベールを取り除いた虚構もある。たとえば1949年の共産革命前の中国は、これまで考えられてきたほど苦痛に満ちた暗黒の地ではなかった。また、中国を変えようとする西洋の努力は、悲劇的な挫折に終わったと考えられてきたが、実のところ想像以上に大きな成功を収めていた。
そうだとすれば、未来だけでなく、過去に関しても、中国が世界で占める地位を根本的に見直す必要があるだろう。しかしあまり期待はできない。中国研究者も一般市民も依然として、自分がイメージする「中国」にしがみついているからだ。・・・
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