CFR Briefing
WTOと地域貿易構想
―― TPPとTTIPの可能性
The High Stakes in Regional Trade Talks
2014年1月号 掲載論文
多国間貿易ラウンドが大きな危機に瀕しているため、その空白を地域およびサブ地域レベルでの貿易交渉が埋めつつある。少なくとも短・中期的には、国際貿易の未来はこれら地域レベルでの交渉の結果にかかっていると言えよう。なかでも環太平洋パートナーシップ(TPP)は、その経済的・戦略的な重要性において際立っている。仮にTPPで国際規格(TBT)や規制の標準化、反政治腐敗、Eコマース、環境などの「WTOプラス」に該当する交渉アジェンダに合意されれば、そのアレンジメントは、今後環太平洋および環大西洋の市場統合に関するプラットフォームとしての役割を果たすことになる。TPPと環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)という二つの重要な貿易交渉が成功すれば、WTOプラスに積極的に取り組む国、現行のWTOルール以上の自由化を受入れる準備ができていない国の二つへ分かれていくだろう。この段階で、WTOの役割を再検証する必要がある。・・・
- なぜドーハラウンド交渉は行き詰まったか
- 流れは地域・サブ地域貿易合意へ
- 戦略的統合イニシアティブとしてのTPP
- 何が危機に晒されているのか
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