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フィリピンとインドネシア
――何が軌道を分けたのか

カレン・ブルックス
米外交問題評議会非常勤シニアフェロー(アジア研究)

The Indonesia and the Philippines
―― A Tale of Two Archipelagoes

Karen Brooks  米国務省政策企画部、米国家安全保障会議アジアディレクターを経て、現在は米外交問題評議会非常勤シニアフェロー(アジア研究)。

2014年1月号掲載論文

いまやASEANの主要5カ国は、世界のいかなる地域経済圏よりも急速な成長を遂げている。なかでも有望なのがインドネシアとフィリピンだ。巨大な市場をもつインドネシアは、この5年で大きな経済成長を遂げた。しかし、資源に依存し、構造改革を先送りしてきた経済はここに来て雲行きが怪しくなり、最近では(通貨危機リスクの高い)「脆弱5カ国」の一つへと転落してしまった。一方、フィリピン経済は多くのエコノミストの予測を上回る成長をみせ、2013年上半期も7・6%と、世界有数の成長を遂げている。フィリピンは家電輸出に加えて、いまや世界有数のアウトソースビジネスの拠点へと変貌している。出稼ぎ労働者の仕送りが貧困層の消費と通貨の安定を支え、改革志向の大統領もいる。今後のインドネシア経済は2014年の大統領選挙に、一方、フィリピンの今後は、構造改革で外資を魅了できるかどうかに左右されることになるだろう。・・・

  • これまでとこれから
  • インドネシア経済の問題点
  • マニラの奇跡
  • さらなる改革の必要性

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