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合成生物学のポテンシャルとリスク
―― 人類社会への大いなる貢献か、それとも悪夢か

ローリー・ギャレット 米外交問題シニアフェロー (グローバルヘルス担当)

Biology's Brave New World

Laurie A. Garret米外交問題評議会、グローバルヘルス担当シニア・フェロー。専門は慢性疾患、感染症、病気と社会。バイオテロ、公衆衛生と外交政策など。ピューリツァー賞受賞ジャーナリスト。

2013年11月号掲載論文

これまで、生物学者たちは外の世界における生命体を観察し、生息環境を変化させることでその詳細と行動を見極め、何が起きるかを見守ってきた。だが、新しい生物学の世界にあっては、科学者たちは生命体そのものを創造し、それを内側から学ぼうとしている。合成生物学によってインフルエンザ・ワクチンを一夜にして製造できるようになり、HIVウイルスに対するワクチンも、二酸化炭素を食べ、化石燃料に代わる安全なエネルギーを放出する微生物も作り出せるかもしれない。だが、これらが人類社会を滅ぼす兵器になる恐れもある。合成生物学の進化は、(人類に貢献するポテンシャルも人類社会を破壊へと導くリスクも秘めた)「デュアルユース」のジレンマをもたらした。これこそ、一世紀前に化学研究が、それから一世代後に物理学研究が直面し、現在、生物学研究を大きな力で席巻しつつあるジレンマに他ならない。

  • 生命体を創造する合成生物学
  • 生命をコーディングする 
  • インフルエンザウイルス研究をめぐる社会論争 
  • グローバルな対応指針の欠落 
  • 高校生が参加するゲノムコンペ 
  • デュアルユース研究をいかに規制するか 
  • 先回りしてワクチンを生産するリスクと恩恵 
  • リスクを封じ込める内外の協調体制を築くには 
  • コンピュータから生まれた生物種 

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