EU脱退という愚かで危険な火遊び
―― キャメロン英首相の危険なゲーム
David Cameron's Dangerous Game
―― The Folly of Flirting With an EU Exit
2013年10月号掲載論文
キャメロン首相は2013年1月、イギリスの欧州連合(EU)との関係を規定する条約内容を再交渉し、2017年末に国民投票を実施してEUへの残留か離脱かを決定すると発表した。イギリスのEU懐疑論は、国家主権という時代遅れの概念にしがみつく英保守党内グループの、ブリュッセルに対する理屈抜きの嫌悪感に根ざしている。合理的な政治的・経済的計算をすればロンドンがEUとの関係を絶つというシナリオが出てくるはずはない。キャメロンは、時代遅れの孤立した国への軌道にイギリスを載せようとしている。イギリスがヨーロッパと関係を絶つ可能性、つまり真のパワーを捨てて国家主権という幻想を選ぶ悲劇的な過ちを犯す可能性は、いまやかなり現実味を帯びてきている。
- キャメロンの誤算
- イギリスとヨーロッパの愛のない結婚
- EUにとどまるべき理由
- 悲劇的な過ち
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