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変貌した東南アジアへ帰ってきた「古い日本」

ジョシュア・クランジック 米外交問題評議会フェロー

The Return of Japan

Joshua Kurlantzick 米外交問題評議会フェロー。太平洋国際政策評議会(The Pacific Council on International Policy)フェロー、南カリフォルニア大学のパブリック・ディプロマシー・センターのフェロー、カーネギー国際平和財団の研究員を経て現職。

2013年9月号掲載論文

いまや東南アジアにおける日本の存在感は大きくなっている。アベノミクスに啓発された東南アジア諸国はヨーロッパ流の緊縮財政でなく、景気刺激策をとろうと試みている。さらには、タイ、ミャンマー、インドネシアにおける政治的混乱、タイにおける大気汚染、ベトナムでの深刻な経済停滞を前にしても、中国企業とは違って、日本企業が投資の約束を守ることへの認識と評価も高まっている。経済停滞と援助予算の削減とともに衰退した日本の東南アジアへの影響力がいまや回復しつつある。すでに東南アジアを3度訪問した安倍首相の努力は、東南アジアとの貿易交渉や投資、現地の世論において着実に実を結びつつある。しかし問題もある。援助、インフラ投資、戦略的つながりに焦点を合わせるだけで、民主主義や市民社会について日本が言及することはほとんどない。日本は、かつてスハルトその他の独裁政権に用いたのと同じ戦略を安易に踏襲してしまっている。・・・

  • 日本の経済停滞と影響力の低下 
  • 帰ってきた日本
  • 民主国家日本の強みを生かすには

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