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保護する責任かシリア政府に対するペナルティか
―― シリア介入論をめぐる混乱

チャーリ・カーペンター
マサチューセッツ大学アムハースト校 准教授

Responsibility to Protect, Or to Punish

Charli Carpenter マサチューセッツ大学アムハースト校 政治学准教授。

2013年9月号掲載論文

オバマ政権は、シリアへの軍事介入の主要な目的は「化学兵器を使用したシリア政府にペナルティを課すことで、(化学兵器の使用を禁じた)国際規範を支え、守ることにある」と明言している。ルールを踏みにじったアクターにペナルティを課すことは、「戦争において何が許され、何が許されないかについて国際的に共有されている了解を守ること」を目的にしている。だが、一方で、民間人を政府の残虐行為から守る「保護する責任」という概念もある。これは、現在のシリアのように、政府が民衆を保護する責任を果たさない、あるいは果たせない場合には、国際社会が人道的悲劇への対応責任を負うという概念だ。保護する責任の原則を基に相手国に介入するには、市民の殺戮にどのような兵器が用いられたかではなく、どれくらいの民間人が犠牲になったか、そして保護する責任を果たす適切な根拠があるかどうかを考えなければならない。混同されることも多いが、この二つの議論に重なり合う部分は少なく、目的が違うだけに、必要とされる介入のタイプも違ってくる。当然、市民の殺戮にどのような兵器が用いられたかを根拠とする空爆によって二つの目的を同時に満たそうと試みてはならない。

  • シリア介入をめぐる二つの目的
  • ペナルティを課すための軍事介入への懸念
  • 目的と手段を混同するな

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