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CFR Interview
紛争後のシリア
―― 宗派間の和解を模索せよ

ダニエル・フィルポット
ノートルダム大学政治学教授

The Role of Religion in Postconflict Syria

Daniel Philpott ノートルダム大学政治学教授。専門は、宗教とグローバル政治、民族と国際関係、体制移行期における正義、民族和解など。

2013年8月号掲載論文

アサド政権はアラウィ派とキリスト教徒を保護しつつも、他の中東の独裁者たち同様に、むしろ、アラブ・ナショナリズムを基盤とする世俗主義を重視してきた。そのアサド政権が倒れれば、シリアはスンニ派のイスラム国家になると考えられる。ここに宗派間紛争のルーツがある。イラクでは、独裁者が社会に強制した世俗主義の重しが、サダム・フセイン政権の崩壊で外れると、宗教や宗派に根ざす熱い感情が一気に噴出した。同じことがシリアでも起きるかもしれない。アサドが倒れた後に、(宗派間紛争だけでなく)世俗派勢力とイスラム主義勢力が抗争を展開するようになる危険もある。外交交渉で紛争を解決できる見込みは乏しく、犠牲者の数が増えるにつれて、人々の心の傷はますます深くなり、憎しみや復讐心も大きくなっていく。こうした敵意にみちた感情を落ち着かせ、人々の心の傷を癒すために、宗教各派の指導者を和解に向けて接触させない限り、シリアにおける安定した平和は望めないだろう。

  • アラブ・ナショナリズムの衰退
  • 政治的イスラム主義の台頭
  • シーア派とスンニ派とシリア

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