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第2の大恐慌か
―― まだ緊縮財政のタイミングではない
The Second Great Depression
―― Why the Economic Crisis Is Worse Than You Think
2013年8月号掲載論文
「今回の経済危機は、大恐慌ほどには深刻にはならなかった」と多くのエコノミストは考えているし、私自身、今回の経済危機を「小ぶりの大恐慌」と呼んできた。だが今では、私の認識は間違っていたのではないかと考えている。現在も進行している経済危機と大恐慌を比較すると、現在の経済危機が「小ぶり」だと決めつける理由はない。経済停滞がもたらす痛みが、大恐慌期とは比較できないほどに軽いもので済んでいるのは、ひとえに社会政策のおかげだ。当然、もっと金融緩和と財政出動を続ける必要がある。積極策を続けると同時に、金融機関のエグゼクティブたちに、巨額の報酬を与えるべきではないことを株主たちに教育する必要があるし、そのような報酬システムが非常に大きなリスクを作り出していることを政治家に認識させることも必要だ。より大胆な一連の行動をとらない限り、アメリカは再び大規模な経済危機に直面することになりかねない。
- 大恐慌よりましと言えるのか?
- まだ緊縮財政のタイミングではない
- 腐敗した金融システムを建て直すための十戒
- 何をどうすべきか
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