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Foreign Affairs Update
「国内的成功には、まず世界で成功を」
―― ブラジルにおけるプログラミング言語開発の物語

ユーリ・タクテエフ/ITリサーチャー

From Brazil to Wikipedia
―― The Surprising Journey of a Programming Language from Rio

Yuri Takhteyev Coding Places: Software Practice in a South American Cityの著者でソフトウェアと社会の関係を研究している。トロント大学で情報社会、オープンソース、データベースデザインなどのコースを担当している。著著Coding Placesは、ブラジルにおけるスクリプト言語ルアとソフトウェア開発の過去・現在・未来を考察している。

2013年6月号掲載論文

最近、ウィキペディアは、ブラジルのリオデジャネイロの3人の研究者が開発したプログラミング言語「ルア」をシステムとして採用した。IT技術を支える「エコシステム」を国内にもたない途上国発のIT言語が、ウィキペディアという世界的組織に採用されたのは画期的な展開だが、そこにいたる道程をみると、途上国の技術者が直面する障害が浮かび上がってくる。途上国の技術者が世界で成功するには、技術開発と市場化の「エコシステム」をもたない国内から巣立ち、まず世界で成功を収める必要がある。外国に出るのは危険な坂道に足を踏み入れるようなもので、不利な場所に住み、不利な言語を使い、不利な制度のなかで開発を続けなければならない。それでも、彼らは外国に目を向け、世界中で使われている同じテクノロジーを用いて問題を解決しようとした。そうするしか成功する方法はなかったからだ。・・・

  • ウィキペディアとルア
  • プログラミング言語と市場
  • ルアの不思議
  • ブラジルから世界への道
  • なぜルアは成功したか

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