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なぜインドは大国とみなされるのを嫌がるか
―― 戦略なき新興大国の苦悩

マンジャリ・チャタジー・ミラー/ボストン大学アシスタントプロフェッサー(国際関係論)

India’s Feeble Foreign Policy

Manjari Chatterjee Miller ボストン大学アシスタントプロフェッサー(国際関係論)。専門は南アジアと東アジアの政治と外交、中印関係など。近く、Wronged by Empire: Post-Imperial Ideology and Foreign Policy in India and Chinaを出版予定。

2013年6月号掲載論文

大国の地位を手にいれたいと望む国は、戦術的な課題を越えて、自国の利益にもっともフィットする世界をイメージし、そのビジョンを現実にしようと試みるものだ。だがインドの外交指導者たちはそうした大国へのビジョンをいまだに描いていない。その理由は、「影響力が拡大すれば、そのパワーに応じた責任を果たさなければならなくなる」と警戒しているからだ。大国になれば大きな責任を引き受けなければならなくなることをインドは嫌がっている。この状況が続く限り、多くの人が期待するような国際舞台での役割をインドが果たすようになることはない。自国の具体的な利益がかかわる狭い領域での国際的役割程度なら受け入れるかもしれないが、よりグローバルな役割を果たすように求める抽象的な呼びかけに、インドが耳を貸すことは現状ではあり得ない。

  • 新興大国というラベルに示す不快感
  • インドの権力中枢としての外務官僚
  • 大国としての大戦略とビジョンの不在
  • 重荷を伴う国際的地位は要らない

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