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アフリカの経済ブーム
―― なぜ楽観論と悲観論が共存しているか

シャンタ・デバラジャン
世界銀行チーフエコノミスト(アフリカ担当)ウォルフガング・フェングラー
世界銀行リードエコノミスト
(エリトリア・ケニア・ルワンダ担当)

Africa's Economic Boom

Shantayanan Devarajan 世界銀行チーフエコノミスト(アフリカ担当)。1991年から世界銀行に勤務し、「世界開発報告(2004)」のディレクターを務めた。
Wolfgang Fengler 世界銀行リードエコノミスト(エリトリア・ケニア・ルワンダ担当)。著書にDelivering Aid Differently ― Lessons from the Field(Brookings Institution Press, 2010。ホミ・カラスと共著)がある。

2013年6月号掲載論文

力強いマクロ経済政策を導入したアフリカ諸国は、グローバル経済危機前にピークを迎えていた資源ビジネスブームを追い風に成長を続け、ブーム崩壊後も、失速を逃れた。楽観主義者は、このトレンズに注目して、アフリカの経済ブームは今後も続くと考えている。だが、経済成長の多くが政治改革によって刺激されているのは事実としても、より永続的なアフリカ経済の変革を妨げる障害も政治領域にある。こうして悲観論者は、資源輸出が低調になったときに経済を支えるような抜本的な改革をアフリカ各国が実施していないこと、そして、政治腐敗がインフラ、教育、医療面での改善を阻んでいることを問題視している。楽観論、悲観論のいずれも、すべての側面は見通せていない。だが、今後数十年のアフリカを言い当てているのはむしろ楽観論のほうかもしれない。情報とコミュニケーション技術の進化が促す社会的開放によって、アフリカが経済成長を持続し、貧困層の削減に今後も成功する可能性は十分にある。

  • アフリカに関する二つの見方
  • 経済成長の理由
  • 経済成長と政治の自由化
  • 人口の配当、都市化、モバイル革命
  • 経済成長でなぜ貧困問題が解決しないか
  • 政治腐敗と高コスト構造
  • 何が人的資本の改善を阻んでいるか
  • 楽観主義の理由

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