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東地中海天然ガス資源と領有権論争

ユーリ・M・ズーコフ
ハーバード大学ウエザーヘッドセンター・フェロー

Trouble in the Eastern Mediterranean Sea
―― The Coming Dash for Gas

Yuri M. Zhukov ハーバード大学ウェザーヘッドセンター(グローバル社会と安全保障プログラム)フェロー。

2013年5月号掲載論文

東地中海の海洋資源開発に派生する論争が、かねて存在した地域的緊張をさらに深刻にしている。イスラエルのハイファ沖合にあるタマルとリバイアサンという二つのガス田には、合計26兆立方フィートの天然ガス資源が存在すると推定され、キプロスの沖合にあるアフロディーテ・ガス田にも7兆立方フィートの資源が存在すると言われる。しかし、イスラエルの資源海域にはレバノンが、キプロスの資源海域には北キプロスが同様に領有権を主張している。トルコもさまざまな思惑をもっている。この環境では、偶発事件が紛争へとエスカレートしていく危険がある。すでに交渉で地域合意を形成する機会は失われつつあり、おそらく、外的パワーの関与なしには、危機は制御できないだろう。問題は、その外的パワーがどの国になるかだ。

  • ハイファ沖の二つのガス田
  • キプロスのアフロディーテ・ガス田
  • トルコの立場
  • 領有権論争と紛争のリスク
  • ロシアに問題の仲裁ができるか
  • 安全の擁護者としてのアメリカ

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