CFR Interview
内戦から宗派間紛争へ
――国家解体へと向かうシリア
2013年4月号掲載論文
シリア紛争は内戦から宗派間紛争へと姿を変え、人的犠牲も深刻なレベルに達している。犠牲者数はすでに7万を超え、国連によれば、シリアから脱出した難民の数も100万に達している。宗派間紛争の色彩がますます強くなっているために、紛争はすでに地域的な余波をもち始めている。数世紀にわたって宗派対立の緊張を抱えてきたシリアにとって、もはや宗派間の関係を修復するのは絶望的な状態にある。シリアの国家解体の可能性に言及する人々もいる。特にキリスト教徒とアラウィ派住民は危機感を募らせている。シリア北部を中心とするキリスト教徒のコミュニティは自ら武装することで、自衛策をとりつつあり、政府が彼らに武器を提供しているとも言われる。マイノリティの多くは自分たちが安心して暮らせる地域へと向かっており、事実上の国家分割が起きつつあるとみなすこともできる。・・・シリア、あるいは(シリア、レバノン、ヨルダンなどで構成される)レバントの解体をわれわれは目撃しつつあるのかもしれない。
- 地域紛争化の脅威
- イランの関与と宗派間紛争
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