CFR Meeting
ケビン・ラッドが語る
北朝鮮危機、日中対立、
アジア重視戦略と中国
The Situation in North Korea and the Future of U.S.-China Relations
2013年4月号掲載論文
「中国軍の高官を含む、私の中国の友人たちと話した感触では、中国政府は、面目を保つ形で、東シナ海の状況を安定化させ、長期的な問題の管理プロセスを日本との間で見いだそうと水面下で積極的に模索している。一方で、この問題をめぐる世論の高揚を前に、一体どうすれば実際に面子を失わずに危機を安定化できるか、疑問に感じ、困惑しているのも事実だろう」
アメリカのアジア重視戦略は、東アジアサミットへのアメリカの参加、アジア・太平洋での戦略プレゼンスを維持し、米海軍戦力の60%をアジア・太平洋に投入する軍事的リバランシング戦略、そして日本を含む環太平洋パートナーシップ(TPP)の構築という三つの支柱によって支えられている。こうした「アメリカの戦略を批判する中国の友人には、次のように答えることにしている。「北朝鮮を例外にして、アメリカのアジア重視戦略を歓迎しない国があれば、その国名を言って欲しい。ほとんどの場合、彼らは黙り込んでしまう」
- ピョンヤンの対外強硬策の国内的ルーツ
- 日中衝突のリスクは
- アメリカのアジア重視戦略を支える 三つの支柱
<ピョンヤンの対外強硬策の国内的ルーツ>
ジョナサン・テッパーマン 国の指導者と直接話せる機会は必ずしも多くない。十分な専門知識をもつ国家指導者と話す機会となるとさらに少ないだろう。ケビン・ラッドはその双方を提供してくれる希有な人物だ。オーストラリアの首相、外相としての経験をもっているだけでなく、優れたアジア研究者、特に中国の専門家だ。・・・
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