危機感を募らせる米国、不安をぬぐえぬ韓国
―― 問われる米拡大抑止の信頼性

スコット・スナイダー
米外交問題評議会シニア・フェロー(朝鮮半島担当)

South Korea's Nuclear Debate and the Credibility of U.S. Extended Deterrence

2013年3月号掲載論文

ワシントンは韓国への拡大抑止のコミットメントを再確認することで、北朝鮮を抑止するだけでなく、韓国に戦略的安心感(assurance)を提供しようと試みている。同時に、北朝鮮によるさらなる挑発策を抑止するために中国側からさらに協調を引き出そうと、「北朝鮮の挑発行動を許容するような北京の路線が地域的な安定を損なうこと」を明確に示して説得したいと考えている。だがここでねじれが生じている。中国が朝鮮半島のことを米中が影響力を競い合う舞台と考え、この文脈では、北朝鮮による抑止力は自国の利益にプラスに作用すると考えているからだ。韓国側も「アメリカは、同盟国を守るために自国が攻撃されるリスクを引き受けるかどうか」、つまり、ソウルを守るためにロサンゼルスを危機にさらすつもりがあるかどうか、疑問に感じている。・・・・

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