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社会保障改革を考える
―― アメリカの制度を他の先進国と比較すると

キンバリー・J・モーガン ジョージ・ワシントン大学准教授

America’s Misguided Approach to Social Welfare
――How the Country Could Get More for Less

Kimberly J. Morgan ジョージ・ワシントン大学准教授(政治学・国際関係)

2015年3月号掲載論文

アメリカの社会保障制度は、政府がすべての市民を対象とするのではなく、企業が従業員に提供する社会サービスに大きく依存している。このために、一部の所得レベルの高い人々は全般的に手厚い社会保障の対象とされるが、所得レベルが低いか、失業している人々はそうではない。他の豊かな民主主義国と比べて、アメリカの社会保障政策による貧困と格差緩和への貢献度が低いのは、このためだ。他の多くの先進国では、官民の社会保障プログラム、減税策を組み合わせて、社会保障がより平等かつ効率的に提供されている。アメリカとの最大の違いは、他の先進国のシステムは平等と効率を目的にし、広く市民が社会保障にアクセスできるように設計されていることだ。当然、アメリカの社会保障制度の改革に向けて、こうした他の先進国のモデルを真剣に検証する必要がある。

  • 先進国の社会保障モデル
  • 純社会支出とは何か
  • 不平等なシステム
  • 福利厚生の国際比較
  • 改革に向けた困難な選択

<先進国の社会保障モデル>

2012年の米大統領選挙では、政府の適切な規模と役割が大きな論争のテーマとされた。誰が税金を支払い、誰がどのような給付を受け取り、政府は医療や教育をめぐる市民の生活にどのように介入すべきか。これらのテーマをめぐってオバマとロムニーだけでなく、それぞれの支持者たちも激しい議論を展開した。・・・

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