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Foreign Affairs Update
ダボス会議と三つのグローバルリスク
―― 国はいかに生き残り、そして繁栄できるか

W・リー・ハウエル 世界経済フォーラム・マネージング・ディレクター グローバルリスク2013報告書編集者

Resilience and Dynamism
―― How Countries Survive -- And Thrive

W. Lee Howell 世界経済フォーラム・マネージング・ディレクター。

2013年3月号掲載論文

世界経済フォーラムの調査によれば、「極端な所得格差」と「長期間にわたる財政不均衡」の二つが、現状で専門家にもっとも注目されているグローバルリスクだ。これらは、大規模な政府債務の存在と悲観的な世界経済見通しへの人々の不安を映し出している。さらに、この1年で多くの国が異常気象を経験した結果、世界の指導者の多くが「温室効果ガス排出量の増大」を3番目のグローバルリスクとして認識している。そして、所得格差、財政不均衡、地球温暖化というリスクへの対応の鍵を握るのが、国や指導者のダイナミズムと柔軟性だ。指導者たちは、変化する環境に素早く適応するために必要な、大胆に発想して、行動する力をもっているだろうか。柔軟に問題に対応する国内環境を整備できているだろうか。われわれ(世界経済フォーラム)は、政治家の統治能力、健全な企業と政府の関係、改革の効率性、政治家に対する市民の信頼、政府による効率的な支出などが、国としての柔軟性を左右するとみている。

  • 柔軟性とダイナミズム
  • 三つのグローバルリスク
  • 柔軟な対応と政治家のダイナミズム

<柔軟性とダイナミズム>

スイスのダボスに世界各国の指導者たちが集まって開催された世界経済フォーラムの2013年のテーマは「柔軟性のあるダイナミズム」だった。フォーラムの報告書「グローバルリスク2013」でも、われわれはこのテーマを重視した。柔軟性とダイナミズムは現在の世界において国が繁栄するために必要な資質であり、どちらか一方だけでなく、双方の組み合わせが国の特質を作り出し、大きな違いをもたらす。・・・

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