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先進民主国家体制の危機
―― 改革と投資を阻む硬直化した政治

ファリード・ザカリア  国際政治分析者

Can America Be Fixed?

2013年2月号掲載論文

先進民主世界を悲観主義が覆い尽くしている。ヨーロッパでは、ユーロ圏だけでなく、欧州連合(EU)そのものが解体するのではないかという声も聞かれる。日本の経済も停滞したままだ。だが、もっとも危機的な状況にあるのはアメリカだろう。停滞する先進国が本当に必要としているのは、競争力を高めるための構造改革、そして、将来の成長のための投資に他ならない。問題は政治領域にある。政治が、効率的な改革と投資を阻んでいる。その結果、われわれが直面しているのが民主主義体制の危機だ。予算圧力、政治的膠着、そして人口動態が作り出す圧力という、気の萎えるほどに大きな課題が指し示す未来は低成長と停滞に他ならない。相対的な豊かさは維持できるかもしれないが、先進国はゆっくりとそして着実に世界の周辺へと追いやられていくだろう。今回ばかりは、民主主義の危機を唱える悲観論者が未来を言い当てることになるのかもしれない。

  • 人々は民主体制を信任しているか(部分公開)
  • 雇用なき成長の時代へ
  • なぜ先進国は債務を抱え込んだか
  • 改革と投資
  • 問題は政治にある
  • 軍隊をもつ保険会社
  • 欧米は日本の後追いをする

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