マリで何が起きているのか
―― マリ紛争とフランスの誤算

スザンナ・ウイング
ハーバーフォード・カレッジ准教授

Making Sense of Mali

2013年03月掲載論文

マリからの分離独立を求めるトゥアレグ族、さらにはアンサール・ディーン、イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)、西アフリカ統一聖戦運動(MUJAO)などのイスラム過激派勢力がかかわっているこの紛争が短期間で決着することはあり得ない。フランスの軍事介入は、現在は支持されているが、いずれ現地の民衆の支持は先細りになる。そうでなくても、AQIMは、(フランスのマリへの軍事攻撃停止を要求して)アルジェリアの天然ガス生産施設で数十人を人質にする事件を起こしている。古くから不満を抱くトゥアレグ族、紛争を利用するイスラム過激派が簡単に武力抗争を止めるとは考えにくい。仮に戦闘が下火になっても、マリが安定し正統性のある政府を組織するのは容易ではないだろう。

  • クーデター、部族反乱、ジハーディスト
  • 複雑な紛争の構図
  • 民衆の立場
  • フランス軍事介入と国際的波紋

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