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米軍の大規模な撤退を
―― 控えめな大戦略への転換を図れ

バリー・R・ポーゼン マサチューセッツ工科大学教授

The Case for a Less Activist Foreign Policy

Barry R. Posen アメリカの政治学者で、マサチューセッツ工科大学教授。同大学安全保障研究プログラム・ディレクター。専門はアメリカのグローバル戦略、国家安全保障政策。

2013年2月号掲載論文

米財政の健全さを取り戻すために、社会保障支出の大幅な削減を検討せざるを得ない状況にあるというのに、ワシントンは依然としてドイツや日本の安全保障に事実上の補助金を出している。これでは富裕層(国)に社会保障給付を提供しているようなものだ。アメリカが覇権的で拡大的な大戦略を維持してきたために、同盟国の安全保障をアメリカが肩代わりする事態が続き、同盟国は応分の負担をするのさえ嫌がるようになった。それだけではない。敵を倒すたびに新しい敵が作り出され、中ロなどの他の大国は連帯してアメリカの路線に反対するソフトバランシング路線をとるようになった。状況を正し、現実的な安全保障戦略へと立ち返るには、現在の大戦略をより抑制的な戦略へと見直し、アメリカは前方展開基地から部隊の多くを撤退させ、同盟国が自国の安全保障にもっと責任をもつようにする必要がある。

  • 拡大戦略から抑制戦略へ
  • 米軍のプレゼンスが対抗バランスの形成を刺激する
  • 民族・宗教紛争は抑え込めない
  • 困った友人たち
  • 三つの安全保障課題
  • 抑制的大戦略の具体像
  • 同盟国の自助努力を促せ

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