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「機会の平等」なきアメリカ

レーン・ケンウォーシー アリゾナ大学教授

It’s Hard to Make It in America: How the United States Stopped Being the Land of Opportunity

Lane Kenworthy アリゾナ大学教授(社会学・政治学)。生活レベル、貧困、不平等、雇用、経済成長、経済政策の違いがどのような事態を招き入れるか、その因果関係をテーマに研究している。

2013年1月号掲載論文

民主・共和両党の大統領候補がともに機会の平等をキャンペーンで重視したのは偶然ではない。機会の平等はアメリカン・スピリットの中核概念だからだ。実際アメリカ社会のこの半世紀における成功とは、性別や人種にかかわらず、誰でも同じ機会を得られるように社会を進化させてきたことだ。だが一方で、新たな不平等が生じている。性別と人種が社会生活の大きな障害になることはなくなったが、家庭環境が機会の平等を左右する障害として再浮上してきている。貧困家庭に生まれた人々は、そうでない人に比べて機会に恵まれない。この数十年でアメリカ人が人生で得る機会に、富裕層か貧困層かで大きなギャップが生じるようになった。このまま放置すれば、アメリカがこれまで実現してきた性別や人種を問わない機会の平等の進展が覆されるだけでなく、深刻な階級間格差が固定化される危険がある。

  • 機会の不平等
  • 家計所得の違いと教育の格差
  • 政府がとれる対策は何か
  • 教育と機会の平等
  • 雇用と機会の平等
  • 機会の平等を再確立するには

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