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北京の新指導層は社会不満にどう対処するか

ジェローム・コーエン
ニューヨーク大学法律大学院教授
米外交問題評議会シニアフェロー(非常勤)

Deciphering Beijing's Transition

2012年12月号掲載論文

権力ポストになじんだ段階で、習近平は中国の法と政治制度の改革を進めていくだろう、と考える人もいる。だが、より可能性が高いのは、高度成長を遂げた途上国が直面する課題にうまく対応できない官僚を目の当たりにして、彼が失望してしまうことだろう。一方、首相になる李克強は非常に政治的な人物で、多くの人は、法律のバックグランドをもつ初めての中国政府高官であるにも関わらず、人権概念を重視していないと考えている。・・・中国が直面している問題は格差だけではない。人々は人権を含むさまざまな社会問題への対応を求めており、これがしばしば暴力的な行動として具体化している。いまや中国社会は揺るがされている。中国の指導層は、当面の措置として抑圧策に依存するかもしれない。逆に、高まる社会的不満のガス抜きを何らかの形で試みるかもしれない。その判断については、台湾民主化のケースが示唆に富む。「もはや抑圧政策に依存するのは不可能だ」と判断した蒋経国(ショウケイコク)は、制度を段階的に開放化へと向かわせるプロセスに着手し、政治参加の幅を拡大した。これが台湾を民主化へと向かわせた。・・・

  • 新国家主席と首相
  • 抑圧か政治改革か

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