第三の産業革命
―― モノをデータ化し、データをモノにする
How to Make Almost Anything
―― The Digital Fabrication Revolution
2012年11月号掲載論文
新たなデジタル革命が迫りつつある。今度はファブリケーション(モノ作り)領域でのデジタル革命だ。コミュニケーションや計算のデジタル化と同じ洞察を基盤にしているが、いまやプログラム化されているのは、バーチャルな何かではなく、フィジカルなモノだ。CGデータを元に3次元のオブジェクトを造形する3Dプリンターの登場によって、ベアリングと車軸を、同じ機械で同時に作れるようになった。これをデータからモノを作り、モノをデータ化するための進化する能力と定義することもできるだろう。このビジョンを完成させるにはまだ長期的な研究が必要だが、すでに革命は進行している。だれもがどこででも何でも作れる世界で、われわれはどのように暮らし、学び、仕事をすることになるのか。現在進行中の革命が突きつける中核的な疑問に答えることが、現状でのわれわれの大きな課題だろう。
- 新しいデジタル革命とは
- 3Dプリンターの登場
- デジタル・ファブリケーションとコンピュータの進化
- 世界に広がった「ファブラボ」
- デジタル・ファブリケーションをいかに用いるか
- 素材をデジタル化する
- 3Dアセンブラー
- 自己複製システムが伴う問題
- 技術革新を計画する
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