変ぼうしたロシア社会と「ロシアの春」?
―― 都市と地方の不満が一体化すれば
The Other Russia ―― Discontent Grows in the Hinterlands
2012年10月号掲載論文
ロシア政治の未来にとって最大の試金石は、デモを展開している政治意識の高い都市部の「少数派」が、モスクワとサンクトペテルブルグ以外に住む「サイレントマジョリティ」の共感をどの程度得られるかにある。たしかに、地方で生活するロシア人は、騒がしい街頭デモや抽象的なスローガンには関心がない。だが、彼らも「現在の政治システムは絶望的に腐敗しており、基本的な行政サービスさえ提供できない」と考えている。地方でもプーチンを支持する声は小さくなる一方で、今度大きな経済危機が起きれば、彼らも大規模な抗議行動に参加するかもしれない。ロシア全土でデモが起きるようになれば、企業やメディア、それに法執行当局でさえも、クレムリンから距離を置くようになり、自分たちが生き残るには、政治の変革が必要だと判断するだろう。ロシアの民主活動家の課題は、都市部と地方の二つの不満、つまり、変化への希求をひとつにまとめあげることだ。もちろん、クレムリンは、それを阻止することが最重要課題であることを理解している。
- ロシアの「サイレントマジョリティ」とは
- 指導者と政治の質
- 政治意識の変化
- 近代化と社会の変化
- 失敗したプーチンの巻き返し策
- ロシアの春の可能性
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