Foreign Affairs Update
偽造医薬品の恐怖
Dangerous Doze
2012年8月号掲載論文
これまで世界保健機関(WHO)は「市場に流通している医薬品の15%程度が偽造品である危険がある」と公表してきたが、アフリカや東南アジアでは医薬品の実に50%程度が偽造品だ。医薬品市場には相当規模の偽造品が入り込んでおり、その種類も多岐におよんでいる。もちろん、その品質も信頼できない。おもに中国やインドで生産されている偽造医薬品は、いまや貿易を通じて世界へと拡散している。2005年から2010年という時間枠でみると、アジアでの偽造医薬品の流通は246%増、ヨーロッパは131%増、中近東は105%増、そして北米が77%増という具合だ。インターネットを利用すれば、どの国にいても外国で販売されている偽造医薬品を購入できる。問題は、オンラインで販売されている9600を超える医薬品を検査したところ、その97%が「推奨に値しない」ことがわかっており、しかも、これが医療の現場にまで入り込んでしまっていることだ。
- 世界へ流れる偽造医薬品
- 医療現場に入り込んだ偽造医薬品
- 性機能改善から慢性疾患まで
- 医薬品の知的所有権と偽造医薬品
- 偽造医薬品問題へのグローバルな対応を
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