資源と環境は本当に脅かされているのか
―― 環境・資源保護か、経済成長か
Environmental Alarmism, Then and Now
2012年7月号掲載論文
「人類のあくなき欲求と世界の限られた資源は衝突コースにあり、そう遠くない将来に人類社会は運命の時を迎える」。経済成長を模索するのを止める以外に破滅を回避する方法はない。1970年代初頭にこう警鐘をならした『成長の限界』は、世界的大ベストセラーとなり、その後長期にわたって、この報告で示された議論と未来シナリオに人々は呪縛された。その結果、「貴重な時間と努力が、価値あるものではなく、根拠が疑わしく、時に有害な目的のために投入されてきた」。周辺的な問題に過剰反応し、より大きな問題への慎重な対応を妨げてしまった。この報告が示した未来シナリオはどうみても間違っていた。それでもその思想が今も生き続けていることは、(貿易促進のための)ドーハラウンドよりも、(環境問題を重視する)京都議定書が重視されていることからも明らかだ。だが、結局のところ、人を死に追い込む最大の要因が何であるかを考えるべきだ。それは貧困であり、経済成長がそれを阻止する最大の防衛策だ。
- 『成長の限界』の衝撃
- 『成長の限界』は何を訴えたか
- 憂鬱な未来シナリオに世界はどう反応したか
- 結局、『成長の限界』は大きな間違いだった
- なぜ資源は枯渇しなかったか
- 人口、農業生産、汚染は現実にはどう推移したか
- リサイクルは美徳か
- 人口と汚染
- 環境保護よりも経済成長を
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