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資源と環境は本当に脅かされているのか
―― 環境・資源保護か、経済成長か

ビョルン・ロンボルグ コペンハーゲン・ビジネススクール准教授

Environmental Alarmism, Then and Now

Bjørn Lomborg デンマークの作家、環境問題の研究者で、コペンハーゲン・ビジネススクール准教授。コペンハーゲン・コンセンサスセンター所長も兼務。最近の著作にThe Skeptical Environmentalist and Cool it.がある。

2012年7月号掲載論文

「人類のあくなき欲求と世界の限られた資源は衝突コースにあり、そう遠くない将来に人類社会は運命の時を迎える」。経済成長を模索するのを止める以外に破滅を回避する方法はない。1970年代初頭にこう警鐘をならした『成長の限界』は、世界的大ベストセラーとなり、その後長期にわたって、この報告で示された議論と未来シナリオに人々は呪縛された。その結果、「貴重な時間と努力が、価値あるものではなく、根拠が疑わしく、時に有害な目的のために投入されてきた」。周辺的な問題に過剰反応し、より大きな問題への慎重な対応を妨げてしまった。この報告が示した未来シナリオはどうみても間違っていた。それでもその思想が今も生き続けていることは、(貿易促進のための)ドーハラウンドよりも、(環境問題を重視する)京都議定書が重視されていることからも明らかだ。だが、結局のところ、人を死に追い込む最大の要因が何であるかを考えるべきだ。それは貧困であり、経済成長がそれを阻止する最大の防衛策だ。

  • 『成長の限界』の衝撃
  • 『成長の限界』は何を訴えたか
  • 憂鬱な未来シナリオに世界はどう反応したか
  • 結局、『成長の限界』は大きな間違いだった
  • なぜ資源は枯渇しなかったか
  • 人口、農業生産、汚染は現実にはどう推移したか
  • リサイクルは美徳か
  • 人口と汚染
  • 環境保護よりも経済成長を

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