ユーロ崩壊というドイツのオプション
Europe’s Optional Catastrophe
2012年7月号掲載論文
ユーロゾーンの分裂が近いうちに現実になるかどうかに関わらず、一つだけたしかなことがある。それは、危機が具体化し始めてから現在まで、その気になれば、ドイツは通貨同盟を救う力を持っていたし、現在もそうであることだ。つまり、ユーロが解体するとすれば、それはドイツが解体を選択した場合ということになる。ドイツはどちらの方向に進むべきか困惑しているようだ。戦後の歴史に配慮すればヨーロッパ統合を維持することが重要だし、そうでなくても(ユーロの解体を認めて)強固なマルクを復活させれば、自国の輸出競争力は大きく抑え込まれてしまう。だが、ドイツの指導者たちは(ユーロを救うのに必要な)穏やかなインフレを認めることにアレルギーを示し、他国の債務や銀行システムを救済することを躊躇している。・・・
- ユーロ解体という選択
- ECBのパワーとドイツの自制
- ユーロ共通債という切り札
- ドイツの選択
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