ヨーロッパ経済の近未来
――債務危機と銀行危機の悪循環
Europe: Waiting for the Next Shoe to Drop
2012年7月号掲載論文
ギリシャは、ユーロからは離脱しても、おそらくEUには留まるだろう。条約には一部抵触するとはいえ、ギリシャがユーロを離脱する前段階で資本規制策、為替管理策、金融機関の閉鎖措置をとれば、無秩序な離脱リスクをある程度抑えることができる。いずれにしても、ギリシャの債務帳消しに応じる必要がある。だが現状でもっとも警戒すべきなのは、ユーロ圏の銀行危機だ。ヨーロッパの銀行はわれわれがまだ知らない損失を抱え込んでおり、これがシステマティックに隠蔽されている。銀行部門が巨大な債務を作り出し、結局は政府も共倒れになったアイルランドのケースがスペインで再現されるかもしれない。たしかに、ECBにはまだできることがある。だが、ECBが紙幣を刷り増すとすれば、国債市場の無秩序な崩壊、金融システムにとって重要な金融機関の無秩序な破綻、そして、ユーロ離脱の連鎖など、そうせざるを得ない状況に追い込まれた場合だけだろう。・・・一方、フランス国債の格下げによって、次の危機が誘発される可能性もあるし、あらゆるものが次の危機のトリガーになり得る状況にある。
- スペインとイタリアのリスクに目を向けよ
- 銀行危機に目を向けよ
- 成長か緊縮財政か
- ECBの巨大バズーカ
- ユーロ離脱後のギリシャ
- 次なる危機のトリガーは何か
- ドイツ経済とフランス経済の行方
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