ユーロリスクと ヨーロッパの政治危機
A Modest Step for the Eurozone
2012年5月号掲載論文
ソブリン債務危機の拡散を懸念する市場を安心させるとともに、IMFからの支援を取り付けようと、ユーロ参加国はファイアーウォールを増強した。だが、債務危機がスペインに広がっているために、市場は依然として慎重な見方を崩していない。実際、「将来における危機を食い止め、危機が起きても対処できる強固で安定した枠組みが築かれたわけではなく、(ファイアーウォールは)これまでの対策同様に、ユーロゾーンのための強固なシステムの確立に向けた暫定措置にすぎない。・・・一部の諸国が経済と財政の悪化に苦しむ事態が続けば、ユーロ圏の利益や目的に関する共有意識が損なわれ、状況を管理していくのは、政治的にますます難しくなる。・・・救済のための橋を架けても、それがどこへつながっているのか、わからない状況が続いている。
- まだ不十分なファイアーウォール
- 緊縮財政と経済成長のバランス
- 依然としてヨーロッパは危機のなかにある
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