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イラクがシリアを擁護する理由
――「イラン化する」イラク

モハマド・バッジ  米外交問題評議会中東担当シニア・フェロー(非常勤)

Syrian Tremor at Arab Summit

2012年5月号掲載論文

シリアで民衆蜂起が起きて以降、イランは(シリアの体制を支えていく上で)イラクのマリキ首相を重視するようになり、イラクの同盟勢力がシリア政府を支援することを望むようになった。これまでシリアを批判してきたとはいえ、現在のイラクはイランに多くを依存している。イラクにとって、イランは重要な貿易相手だし、イランとの貿易がイラク経済を動かすエンジンの役目を果たしている。マリキがイランとの関係を清算することはおそらくあり得ない。シリア政府支援をめぐってイランとイラクが一定の協力関係にあることは、おそらくはシリアへの軍事支援物資を積んでいると考えられるイランの輸送機がイラク領空を通過するのを認めていることからも明らかだろう。もちろん、イランと敵対するスンニ派アラブ諸国は、この現実に不満を募らせている。

  • 再燃する宗派対立
  • イランに依存するイラク

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