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なぜ世界銀行は依然として必要か
―― 変化する世界と変貌する多国間組織

ロバート・B・ゼーリック 世界銀行グループ総裁

Why We Still Need the World Bank

Robert B. Zoellick 米通商代表、米国務省副長官などを経て、2007年から世界銀行総裁。2012年6月に退任予定。米政府でのポジションだけでなく、ゴールドマンサックスその他の民間においても豊かなキャリアを持っている。国務副長官時代に、中国に「責任ある利害共有者」という概念を適用することを提唱し、世界銀行の統治においても、この概念を適用したことがこの論文で示されている。

2012年4月号掲載論文

世界銀行を含む、国際機関はそのプロセスと議論にばかりエネルギーを奪われ、重要な活動効率をないがしろにしてしまうことが多い。とかくイニシアティブが抑え込まれがちな世界銀行のような多国間組織にとって、結果を重視する現実主義を持つこと、特に、結果を出すことのコミットメントを示すことが重要だ。結果を出すことで、組織としての士気が高まり、財的支援を確保できるようになり、説明責任と正統性も強化される。この5年間にわたって私が試みた世界銀行近代化の試みは、より大きな多国間主義を近代化する試みの一部だった。世界銀行の活動目的を「援助を超えた領域」へと引き上げ、「途上国の依存状況を克服すること」へと設定し直す必要がある。世界各国は現在の経済危機を克服して、「援助を越えた世界」を実現するための基盤を築く必要があり、この点からみても、世界は依然として世界銀行を必要としている。

  • 組織存亡の危機から新しい課題への挑戦
  • 成長の架け橋として
  • 金融イノベーションの拡大
  • 優れた統治と腐敗撲滅
  • 情報公開のパワー
  • より人々の声をくみ取る世界銀行へ
  • 援助を越えて

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