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CFR Meeting
サウジはアラブの春とイラン問題をどうとらえているか

グレゴリー・ゴース/ バーモント大学教授

Sauji Arabia in the New Middle East

F. Gregory Gause III 米外交問題評議会(CFR)フェロー、コロンビア大学助教授を経て、現在はバーモント大学の政治学教授。1998年―2008年まで、同大学中東研究プログラムのディレクターも兼務。専門はサウジアラビア、ペルシャ湾岸を中心とする中東の政治と外交。

2012年3月号掲載論文

国内の反体制派がイデオロギー、宗派、民族などの社会集団の垣根を越えて、体制を倒すという目的にむけて連帯を組織できたかどうか。これが、アラブの春によって中東で体制が倒された国とそうでない国を分けた重要なポイントだ。サウジはどの集団をどの皇太子が担当するかを決めることで、ビジネスコミュニティ、部族社会その他とのネットワークを巧みに築き、これらの集団を政治的に去勢してきた。これが、サウジが嵐を乗り切れた理由だろう。一方、中東での宗派対立が高まれば、アルカイダのような、スンニ派の過激勢力が勢いづくだけで、サウジのためにもならない。だが、すでに宗派対立の構図で中東政治が動きだし、アラブ対ペルシャの対立図式が描かれつつある。イランが明確に核兵器の開発に乗り出すのなら、サウジも核を獲得すべきだという立場がすでにリヤドでは主流になっている。・・・

  • サウジの安定を支える三つの要因
  • 権力継承と世代交代
  • 民主化の一方で台頭するイスラム超保守派、サラフィ派か
  • 変化したアメリカとサウジの関係
  • 次世代への権力継承プロセス
  • シリア、イラク、バーレーン

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