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パキスタンに対する強硬路線を
―― 懐柔策ではもはや協調は引き出せない

スティーブン・D・クラズナー  元国務省政策企画部長

Talking Tough to Pakistan ―― How to End Islamabad's Defiance

Stephen D. Krasner スタンフォード大学教授で専門は国際関係論。同大学フリーマン・スポグリ国際関係研究所およびフーバー研究所の上級研究員を兼務。2005―2007年に、国務省の政策企画部長を務めた。

2012年2月号掲載論文

パキスタンは対米協調を装いながらも、それが対インド戦略に抵触する領域についてはアメリカの利益を公然と無視し、それに反する行動をとってきた。それにも関わらず、ワシントンはパキスタンを切り捨てるのを躊躇している。「対テロ作戦へのパキスタンの協調を得られなくなれば、アメリカのアフガンでの作戦は失敗する」と決めつけ、「外からの支援がなければ、パキスタンは破綻国家と化し、その結果、イスラム過激派が国を制圧し、悪くすると、インドとの核戦争が起きかねない」と心配しているからだ。だが、別のアングルから問題をとらえるべきだ。アメリカが対パキスタン援助と関与によって得た利益よりも、パキスタンによる核拡散やイスラム過激派支援路線がもたらすダメージのほうがはるかに大きい。パキスタンが具体的に行動を起こさなければ、パキスタンを孤立させる政策をとると、はっきりとイスラマバードに伝えるべきだ。いまや、パキスタン強硬路線へと舵を切り、パキスタンを敵国として扱ったほうが、アメリカも、パキスタンを含む地域諸国もより大きな恩恵を手にできるようになるだろう。

  • アメリカのパキスタン・ジレンマ
  • パキスタンの行動
  • なぜ対米協調を拒むのか
  • パキスタンへの強硬策を
  • パキスタンに選択肢を示せ

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