思索の人、ジョージ・F・ケナンの遺産
―― 決して満足しない精神
Ideas Man ―― The Legacy of George F. Kennan
2012年1月号掲載論文
ジョージ・ケナンは非常に重要な時期に、トルーマン政権の国務省で政策企画部長を務め、第二次世界大戦後の世界を再設計する仕事をした。だが、その後、彼はワシントンのやり方に苛立ちを感じ始め、ワシントンも彼を厄介な存在とみなすようになる。ケナンは聡明であるがゆえに苛立ち、遠大なビジョンの持ち主であるがゆえに不満を抱いた。彼はこの間ずっと、厳格な自己批判、自虐的な考えを自分のメモとして書き残している。「自分がひ弱で、幼稚で、役に立たないだめな人間に思えることがある」。彼の聡明さと自己卑下はつねに表裏一体をなしていた。現状に満足することに不快感を覚え、「われわれ」は「この現状」よりもよくなれると確信していた。「われわれ」が誰で、「この現状」が何であるかは問題ではなかった。ケナンとは、決して満足しない精神そのものだった。
- 考えることを止めない
- ケナンの二つの思想
- 思想家のエピソード
- ケナンなら現状をどう分析するか
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