Perkin Oleksii / Shutterstock.com

追い込まれたウクライナの危険な賭け
―― ロシアかEUか、それとも革命か

ラジャン・メノン 米リーハイ大学教授(国際関係) / アレクサンダー・J・モティル 米ラトガーズ大学教授(政治学)

Counterrevolution in Kiev ―― Hope Fades for Ukraine

Rajan Menon 米リーハイ大学教授。専門は国際政治、比較政治、ソビエト・ロシアの歴史など。
Alexander J. Motyl 米ラトガーズ大学教授。専門は政治学と歴史。帝国主義論、そして、ロシア、ウクライナ、東ヨーロッパの政治の評論も数多く手がけている。

2012年1月号掲載論文

無策、無能で、政治腐敗にまみれ、権威主義的。こうした形容詞で語られるウクライナのヤヌコビッチ政権は、市民の支持を失っている。2011年半ば、追い詰められたヤヌコビッチ大統領は、もっとも痛みが少なさそうな安易な打開策を選んだ。ヨーロッパの価値を無視したまま、EUに接近する策をとったのだ。しかも、プーチンが標榜する関税同盟への参加を拒否しておきながら、ロシアとも良好な関係を維持しようと究極の二股をかけている。だが国内情勢からみると、こうした打開策はすでにタイミングを失している。ヤヌコビッチの最大の成果とは、世論を反ヤヌコビッチでまとめあげたことくらいで、市民の怒りはどうみても行き場を失っている。このままでは政府機能が麻痺し、社会不満が拡大し、2012年のどこかの段階で市民の怒りが大きな形で爆発する危険がある。

  • 漂流するウクライナ
  • ヤヌコビッチの失策
  • 高まる社会不満
  • ヤヌコビッチのヨーロッパシフト
  • ロシアかEUか
  • 欧米世界への険しい道のり

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2012 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top