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誇張された大国、中国の実像
―― 持続的成長はあり得ない

サルバトーレ・バボネス
シドニー大学上級講師(社会学・社会政策)

The Middling Kingdom

2011年10月号掲載論文

「これまでのようなパフォーマンスは期待できないが、中国経済が成長軌道から外れることはない」。多くのエコノミストはこう考えている。だが、状況は変化し、何かがうまくいかなくなるものだ。経済が成長するにつれて、中国がアジアや世界政治においてより大きな役割を担っていくのは間違いない。しかし、おそらくはそう遠くない将来に、中国の成長率もスローダウンし、かつて高成長を遂げた諸国同様に、成長率は低下していく。当然、アジアでも、世界においても中国が支配的優位を確立することなどあり得ない。専門家は、世界が中国語を学ばなければならないような「アメリカ後の世界」に思いをめぐらすことに興じている。だが、現実的に考えて、21世紀にそのようなことが起こるはずはない。いまや、巨大ながらも普通の国として中国に接し始めるタイミングだろう。「中国は重要な国だが、それほどパワフルなグローバルプレイヤーではない」

  • 今後、中国の成長率は鈍化していく
  • 成長が頭打ちになるとき
  • 「二度と繰り返せない」出生率の低下と都市化
  • 成長を阻む要因
  • 中所得国家としての中国
  • 米中逆転はあるか

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